アナリティクスアドバイザー(beta)

アナリティクスアドバイザー(beta)

GA4内でAIを利用して、データに関する質問に答えてくれる機能です。簡単な集計や比較はできますが、深い分析までは行えるわけではありません。どこまで「使いやすいか」はそれぞれ判断が変わってくるかと思います。アナリティクスアドバイザーで出来ること、出来ないことをぜひ本ページを読んで理解していただき、どう使うか判断してもらえれば。

アクセス方法

2025年12月の段階では「英語」が「選択言語」に設定されているプロパティでのみ利用が可能です。言語設定の変更に関しては以下を参照。

なお質問に関しては日本語で行うことができ、日本語で返事が返ってきます。ただ結果の中に出てくる図表に関しては英語になります。

Analytics AdvisorはGoogle Analyticsにログインした後に右上にあるアイコンからアクセス可能です。こちらを押すと画面の右側にチャット欄が開くので、そこでコミュニケーションを開始してください。

Analytics Advisorで出来る事・出来ない事

AIの機能ですが、まず前提としてプロパティ単位となります。複数プロパティやアカウント横断はできません。

出来る事

・数値の期間比較のサマリーを出す

この辺りは特に大きな問題はありませんね。いくつかの指標(ユーザー・セッション数・キーイベント数)などをピックアップして比較を行ってくれます。

・流入元に関する集計

流入元ごとの情報を文章でまとめてくれます。この辺りも問題ありません。

・連携しているサーチコンソールからのデータ取得

サーチコンソールをGA4と連携している場合は、サーチコンソールの数値も取得できます。

・流入元の簡易な分析

データを見てもらい、どの流入元に注目するべきかを判明させることができます。この辺りは手作業だと時間がかかるので、助かりますね。

・流入元とランディングページの掛け合わせ

掛け合わせのデータも簡単に出せます。

・モバイルとデスクトップのユーザー行動の違いを出す

このアウトプットは使いやすいと感じました。更に深堀してみましょう。

・分析内容を元に簡易な改善案を出す

ざっくりとしたものであれば改善案を出してくれます。

・数値変化の理由特定

時系列での数値変化が起きた理由を他ディメンションと掛け合わせて教えてくれます。要因を自分で見つけていくのは手間なので、この辺りはしっかり工数削減に効きます。

・商品の売上季節トレンド分析

結果としては想像通りのアウトプットですが、ちゃんとこういった分析が文章で出てくるのはありがたいですね。

・分析周辺に関する内容の相談

KGIやKPIに関する相談をしたところ、適切な案内をしてくれました。GA4のヘルプ等も参照してくれるので、この辺りの実装や設定周りに関しては信頼できそうです。

・生成AIに与えるようなプロンプトをそのまま投げる

月次レポート作成用のプロンプトを投げてみました。使用したプロンプトはこちら

アウトプットはとても長いので一部だけ紹介。

しっかりとしたプロンプトを与えてあげれば、ちゃんとアウトプットしてくれますね。
時間はかかるものの、発見できる気づきはかなり多いです。

出来ないこと

・特定のユーザーやセッションのセグメント

明らかに間違った結果を返してきていますね…

こちらも直近30日で合計金額3万円以上購入したユーザーを聞いているのですが1,770人と出てきます。同期間での購入回数が、画像真ん中にある通り1,151回なのでこの数値もおかしそうです。

やっかいなのはセグメント系に関しては、数値が出せないという返事が戻ってくるのではなく間違えた数値が戻ってくるところです(他にもいくつかのクエリで試してみました)。出せないなら出せないと伝えてもらえると助かりますね。

・ページ間の遷移数

画像を見ての通り、同期間にTopから/shop/customerへの遷移数は41回なのですが、Analytics Advisorでは4,402件と全く違う数値を出してきます。

・ファネルレポートの数値

ファネルに関して数値が間違っている&取得することはできないようです。基本的なこういった導線系の質問は行わないようにしましょう。

・成果が出ているページと出ていないページの違い

ここで期待している内容は、単純な事実(検索流入が多く、モバイルで日本人)という事ではなく、タイトルや内容、UIの部分からの気づき発見かと思います。こういった数値だけではわかりにくい原因調査は難しいようです。

・提案された施策を実行した時の効果予測

この辺りはちょっと厳しいようですね。わからないでもない。

生成AIと連携してGAデータ取得するときとの比較

以下の記事で生成AI(Claude)上でGAデータを取得して分析する方法を記載しています。

上記の方法と比べると以下の点において不便があります。

・学習をさせることができない
AIにサイトの状況などを伝えて保存する機能ができない

・会話を保存することができない
AIとの会話をAnalytics Advisorでは保存できません。画面をリロードするとそれまでのやりとりがすべて消えてしまうため、自ら保存する必要があります。しかもコピーボタンなどが無いのが不便ですね。あくまでもGA4の画面内で利用することを想定している感じかと。

・アウトプットの種類や質が少ない
ワイヤーフレームを書いたり、具体的な施策の見せ方の部分はAnalytics Advisorは弱いです。Googleスライドを作ったりすることは出来ず、パワーポイントやPDFなども作ることができません。

・あくまでもGA4だけのデータを頼りにしてしまう
コンテンツの中身や長さ、構成、内容に関する特徴などを見つけることが出来なかったり、数値のみで判断を行っています。

・見づらい
好みもあるかとは思いますが、横幅が変えられないため改行が多く、文章が読みにくいです。箇条書き、絵文字等も利用されないため頑張って読む必要があります。

逆にGA4のAnalytics Advisorにも良い点がいくつかあります

・事前の設定なしにすぐに使うことができる
これは大きなメリットですね。誰もが使うことができる。それだけで有難いです。

・無料で利用できる
今のところ、何かしらの「制限」があるようには見えず無料で利用できます。生成AIサービスの場合、無料だと利用できる量に制限があるので、無料で分析したいという場合はこちら一択になるかなと。

・GA4の画面でそのまま利用できる
こちらも他生成AIサービスと連携して利用するところは違いGAに内蔵されたサービスだからこそのメリットですね。その結果、左側の画面で数値を見ながら、右側の会話ができるという「スムースな行き来」ができることが私としては最も良いなと思った部分です

・レスポンスが早い
個人的には思っていた以上にすぐに分析や集計結果が返ってくるので、待ち時間が少なく使いやすかったです。待っている間にGA4のレポート操作をして他のデータを見ることができるのもいいですね。

まとめ

いよいよGA4にも自然言語型のAIが搭載されました。これによりちょっとした気づき発見や集計が便利になりました。そしてそれを誰でも無料に(今のところ)無制限に利用できるのがうれしいです。分析×生成AIの第一歩となる機能ですね。初心者の方にオススメです!

投げるプロンプトをしっかり作りこめば、アウトプットもしっかり出てきますので、プロンプトをしっかり書いて活用したい方にも向いています。ただ、そこまでやる方であれば、他データも繋いだり、アウトプットレポートなども作りたいと思うので、生成AIサービスとMCPサーバーで連携する方式の方が良いでしょう。

また使う上で現時点(2025年12月)ではセグメント系のデータが不正確です。出来ないと言ってくれることもあるのですが、何7も言わずに不正確な数値を出してきます。少し複雑なリクエストを投げた場合、数値「感」があっているかを確認することを忘れないでください。例えばキーイベント数や売上が同期間のサイト全体より大きい、あるいは極端なエンゲージメント率(100%が大きな流入元で出る)、遷移数や率(遷移先のページビュー数以上に遷移数がある)などが該当します。

これから更に進化していくと思いますので、楽しみです。

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